テレビ

僕が生まれた家には普通にテレビがあった。同年代で子供の頃、テレビ無いと言うのは流石に聞いたことがなかった。僕が大学を卒業するくらいの時「うちテレビ無いんだよね」が世間に現れ始めたと思う。妻と同居し始めた家にはテレビが無かった。その後子供が生まれて、温泉へ行った時、まだハイハイもできない子供がじっとEテレに見入るのを見て、やはり買うかと思って今に至る。確認したら約2年間が僕の「うちテレビ無いんだよね」期間だった。

 

「TVピープル」

https://www.amazon.co.jp/TV%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AB-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E6%98%A5%E6%A8%B9/dp/416750202X

村上春樹が小説の思わぬヒットによって精神をやられ、ヨーロッパへ避難した際にとりつかれた妄執を基にした短編。日本古来の伝承である「小さいオッサンの妖精」を下敷きにしている。主人公は過去作に引き続き「僕」で、常人の0.7xサイズのTVピープルなる小さいオッサン(青いジャケットを着て青いジーンズを履いてテニス・シューズを履いている)が見えるようになった。それを人に話すので妻にも職場にもヤバい人だと思われている。何事につけても「僕」は「小さいオッサンが全然映らへんテレビ置いてったんですわ、しゃぁないやろ、やれやれ」とか言うが周囲は無論無視するので挙句の果てには…という話である。

 

にしても村上春樹作品の楽しみ方の一つは、Amazonレビューを眺めることだわなぁと思う。